SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.5, No.5, Dec. 1996, Article 9

小型冷凍機に新規大型マーケット出現:ワークステーションに搭載

 米国カリフォルニア州 Superconductor Techonology Inc. は10月開催のUNIX EXPO Plus において、同社の開発した冷凍機が UNIX 系ワークステーションなどに組み込まれ、コンピューターの性能アップのための新製品として発売されることを明らかにした。
冷凍機により計算機 CPU とその周辺回路を冷却することにより、CMOS の演算速度を最高 2-3 倍も引き上げられる。同社の新製品 RACE(Radically Accelerated Cold Electronics) シリ−ズ は、低コストの RACE 30 で 30-50%、RACE 60TM で 60-80%、RACE 2X システムでは性能を 2-3 倍増強することができるという。RACE 30 では従来型ガス圧縮機、RACE 60TM とRACE 2X ではヘリウムガススターリングサイクル冷凍機が用いられている。
これまでにも、CMOS を冷凍することにより、その演算速度を改善できることが指摘されていたが、いよいよ、製品としてお目見えすることになった。これにより、従来、半導体製造プロセスの真空ポンプが最大のユーザーであった小型冷凍機の需要に、新規大型マーケットが生じ、小型冷凍機の価格が下がる可能性もあると見られるので、低温超伝導分野にとっても朗報といえよう。

(JJY)


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