SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.5, No.4, Oct. 1996, Article 14

超電導電力応用技術・平成7年度研究成果発表会の話題から

 去る7月12日、超電導発電関連機器・材料技術研究組合(略称スーパーGM)の「平成7年度研究成果発表会」がメルパルク大阪で盛況裏に開催された。スーパーGMは、通産省工業技術院のニューサンシャイン計画の一環として、「超電導電力応用技術」開発プロジェクト(昭和63年度〜平成10年度)を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託している。
 平成7年度は、このプロジェクトの8年目に当たり、主要テーマである超電導発電機の研究開発では、7万kW級モデル機の組み立てと工場試験の着手、モデル機用100L/h級ヘリウム冷凍システムの据付け・調整を含む現地実証試験設備の最終段階の建設が行われた。いよいよ8年度後半から現地実証試験設備でのモデル機の運転研究が始まるという。また、これと並行して実施した将来の超電導電力応用を目指した研究開発では、1〜3kA級交流機器用NbTi、Nb3Sn線材の開発、Bi、Y、Tl系酸化物線材の高特性化・長尺化、改良型冷凍システムのキーコンポーネントであるオイルフリー・ヘリウム圧縮機の開発が行われた。成果発表会では、研究開発を分担している各社による口頭発表とポスター発表、スーパーGMの上田隆右常務理事による7年度研究成果の総括、引き続いて東京大学の正田英介教授による特別講演「超電導電力応用の将来展望」、関西電力の岸田卓也主席研究員による特別発表「電力における超電導実証研究」が行われ、有意義な発表会となった。発表会には超電導電力応用技術開発の大御所である山村昌東京大学名誉教授(スーパーGM顧問)、上之園親佐京都大学名誉教授ほかこの分野の関係者多数の参加があった。主催者によれば約 270名が、また前日の現地実証試験設備見学会には約 160名が参加したとのこと。成果発表の要点を以下にまとめてみた。

(Super Man)


[前の号へ |前の記事へ |目次へ |次の記事へ |次の号へ ]