SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.5, No.4, Oct. 1996, Article 8

ドイツベンチャーも高温超伝導バルク体発売

 ドイツカ−ルスル−エにあるカールスルーエ研究センタ−社(Forschungszentrum Karlsruhe GmbH)は高温超伝導バルク製品の市販を開始したと8月末の Applied Superconductivity Conference で発表した。イットリウム系123 の溶融凝固プロセスによる製品で、製造プロセスの改善と歩留まりの向上が果たせたために市販に踏み切ったもの。我が国では同和鉱業が同種製品の市販を既に行なっており、これで米独のベンチャーを合わせて日米独が市販を始めたことになる。
 同社では溶融凝固したバルク材料が70mm径のものまで対応でき、構造は単一ドメインになっているとしている。この種製品は粒界がはいるとピン止め力が劣化することが知られており、単一ドメインがどれだけ大きく市販製品でとれるかが一つの課題であった。標準品は 45mm 径ないし60×30mm 四角形で厚み 25mmまで。最大磁気浮上力として、12N/cm2 を達成している。棒状製品は主としてパワーリード用に10×10×100mm のもので、77Kで1800 Aを通電できる。密度は 98% 以上。酸素含有量は化学量論組成の 7.0 に対して標準で 6.9であり、要望により6.3 から6.9 まで任意に調整できるという。価格は寸法によるが、45mm 径のもので厚み25mm の最大級のもので300万円程度とのこと。少し性能の落ちるものは、その半額位。
 販売に関する問い合わせ先:
 Mr. U. Brunner, FZK/Central Purchasing and Materials Management Department(EKM)
TEL:+49-7247-82-5350 FAX: 7247-82-6122 e-mail: axel.kaiser@infp.fzk.de

(SSC)


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