SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.5, No.3, July 1996, Article 9

パウダー・イン・チューブ線材の臨界電流向上新方式 : 銀線・イン・チューブ法 〜 アルゴンヌ国立研とピッツバーグ大

 ビスマス系線材の標準製法であるパウダー・イン・チューブ(PIT)法に新しい方法が導入されたことがアルゴンヌ国立研の R. Poeppel 氏らにより発表された。新方式は PIT 法での製造において、チューブの中心に銀線を差し込み、粉末をその周囲に充填して線引きを行うもの。
 これまで、 PIT 法での問題点は周囲の銀シースと接触するビスマス系超伝導体の薄い領域のみが高臨界電流密度を示し、内部の超伝導部分はあまり寄与しないとされていた。新法では内部まで非常に良く配向した線材が得られ,これまでの性能の数倍にあたる10万 A/cm2 (77K/0T) の臨界電流が得られる。両グループは Intermagnetics General Corp.(IGC) 社と共同で長尺線材への適用を試験している。
 新法は雑誌 Superconductor Science and Technology 1996年3月号に詳細が記されている。また,インターネットではアルゴンヌ国立研のホームページ http://www.anl.gov/OPA/newsviews.htmlでこの記事をみることができる。

(SSC)


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