このページではSUPERCOMの記事の一部を紹介しています。

SUPERCOM 〜超電導コミュニケーションズ〜 は、高温超伝導に関連する分野の「いま」を伝える日本語のニュースレターです。SUPERCOMは、特定の企業・団体からの援助を受けないボランティアの集団 〜 超電導情報研究会 〜 が発行しています。研究会の事務局は、ボランテイア代表の属する東京大学 大学院工学系研究科超伝導工学専攻 北沢研究室に置かれています。
SUPERCOM 2001年2月号

リニアモーターカー向け高温超伝導コイル磁石開発へ

 最近の高温超伝導線材と小型冷凍機の著しい性能向上に伴って、遂に国土交通省は産業経済省(旧通産省)と共同体制をとり、その開発へ向けてスタートが切られた。


金属系超伝導体のTcを27年ぶりに更新する
新超伝導体MgB2発見!

 青山学院大学の秋光純教授のグループは、新超伝導体MgB2(超伝導転移温度 Tc= 40 K)を発見したと報告した。 銅酸化物を除くバルクの超伝導体としては最高の転移温度を示す。
MgB2は古くから知られた化合物で、多くの試薬メーカーからそれ自体を購入することが可能である。そのような物質が高いTcをもつ超伝導体であったとは全くの驚きである。


金を含む新超伝導体発見

 つくばにある、無機材質研究所の室町英治総合研究官らのグループは、超高圧反応を銅酸化物系に適用することで、多数の超伝導体の合成に成功しているが、今回、金を含む新たな銅酸化物超伝導体系列を発見した。Au-1234相のTcは99Kであり磁化率、電気伝導度測定によってバルクの超伝導が確認されている。

世界最高の捕捉磁場を有する
Gd123系バルク超電導体の作製に成功

 超電導工学研究所第三研究部の成木紳也主任研究員らは、このほど、77Kで世界最高の3.3Tの高い捕捉磁場を有するGd123系バルク超電導体の作製に成功した。 最近、バルク高温超電導体の応用として、永久磁石よりもはるかに強力な超電導バルク磁石が脚光を浴びている。これは、123系溶融バルク体の捕捉磁場が、SmやGd, Ndなどの軽希土類元素を含む材料の開発によって、目ざましく向上し、最近ではY系の捕捉磁場をはるかに超える値に達しているためである。


SUPERCOM 2001年6月号

高温超伝導ケーブル 課電・通電試験始まる

 東京電力、住友電気工業、電力中央研究所の3者は高温超電導ケーブルシステムの課電・通電試験を2001年6月11日、電力中央研究所・横須賀研究所で開始した。 従来の常伝導ケーブルに比べ電流密度を約100倍に高め、送電ロスを大幅に低減し、コンパクト化できることから、既存の地中管路を有効利用できるなど建設費の大幅なコストダウンが期待される。今後1年間かけて超電導線材の特性変化や電流変動に対する冷却系の運転特性などを評価し、検証する計画である。


シリコン単結晶引き上げ装置用
高温超伝導マグネット完成

 株式会社 東芝、住友電気工業株式会社、信越半導体株式会社の3社は、高温超電導を用いてシリコン単結晶引上げ装置用マグネット(8インチ用)を共同開発したと発表し、詳細が低温工学・超電導学会にて発表された。本試作磁石は単結晶成長用としての必要な仕様を満足することが示され、今後は、磁石の交流損、過酷な使用状態に対する磁石の応答などについての試験がさらに継続される。


リニア近況

 超電導磁気浮上式鉄道の開発は、平成12年3月に運輸省の実用技術評価委員会から「実用化に向けた技術上のめどは立った」と評価され、リニア技術の特性や基本的な設計などの妥当性が検証されている。平成12年4月からはこの「めどが立った」技術をさらに営業線に向けてブラッシュアップするため、新たな段階として同評価委員会より示された、信頼性・耐久性能の検証、コスト低減技術、車両の空力的特性の改善技術、を柱として、実用化に向け更なる完成度の向上を目指した走行試験、技術開発を積極的に推進している。


SUPERCOM 2001年8月号

カーボンナノチューブにおける1次元超伝導を発見

 香港科学技術大学のPing Sheng 教授らのグループは米国科学雑誌Science にカーボンナノチューブが絶対温度20ケルビン以下で超伝導になると発表した。ナノチューブは炭素からなる円筒状の分子で、最近流行の自己組織化によって形成され、ほとんど乱れのない原子配列を持つ。また構造は硬く強固で良い電気伝導体でもある。このためマイクロエレクトロニクスへの応用研究も進んでいた。


SUPERCOM 2001年10月号

環境ホルモン除去用の磁気分離技術を開発

 (独)物質・材料研究機構 強磁場研究グループは、(財)いわて産業振興センター(理事長海妻矩彦)と共同で、Bi2223超伝導マグネットを用いた磁気分離システムの応用研究を行っている。最近、特殊な表面処理を施した磁性微粒子を用いて、排水中の内分泌かく乱物質(環境ホルモン)を分離・回収する技術を開発した。


無線通信向け超伝導フィルターの開発続く

 Superconductor Week 誌によれば、米国のコンダクタス社(Conductus Inc.)は最近、今までに報告された如何なる薄膜または厚膜超伝導フィルターに比べ性能が優れた先進薄膜超伝導フィルターを開発した事が明らかになった。第3世代(3 G)無線ネットワークに使用するこの新しい広帯域CDMAフィルターは、帯域外信号を拒絶する極めて高い選択性と非常に低い損失を併せ持っており、ネットワークの伝送容量、カバー領域及びデータ伝送速度を増加出来るものである。


SUPERCOM 2001年12月号

高温超伝導送電ケーブルの
次期プロジェクトが相次いで発表

 このところ米国で高温超伝導送電ケーブルに関する次期プロジェクトの発表が相継いでいる。即ちIGC社共同チームよる1/4マイル(400 m)長超伝導ケーブルの設置プロジェクト、Southwire社の300 m長超伝導ケーブルの設置プロジェクト及びPirelli社共同チームによる1/2マイル(800 m)長超伝導ケーブルの設置プロジェクトの3計画である。いずれも300m以上の長尺ケーブル(因みに現用銅ケーブルの単長は600-800 m)による設置・送電実験計画であり、実用化へ連げようとする意欲的なものである。近年に於ける米国の電力危機を追い風にして、超伝導電力ケーブルも愈々本格的前商用化開発の段階を迎えているようである。


金属テープ上Y系超伝導厚膜で臨界電流世界記録

 超電導工学研究所と(株)フジクラ及び中部電力(株)は2001年9月19日、低コスト化が可能なY系酸化物超電導材料の線材化技術の開発に成功したことを公表した。多結晶のハステロイ合金テープ上にフジクラ、中部電力が開発したIBAD法YSZ中間層を形成し、超電導工学研の開発した塗布法で膜厚1ミクロン、Jc= 1.6 MA/cm2Ic*=153 A/cm-width(77 K)を達成したもの。膜の厚みを倍化できたことが大きな特色である。


超伝導材料研究センター発足

 文部科学省の物質・材料研究機構は材料分野としてはわが国で最大級の規模を持つ研究機関である。同機構では、内部研究組織のあり方に関する検討を続けてきたが、組織改革の一環として、10月15日に超伝導材料を集中的に研究する組織として、超伝導材料研究センターを発足させた。