SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.4, No.1, Feb. 1996, Article 7

超高磁場NMR(750MHz)神戸大で稼働開始 〜 神戸製鋼所、ジャパンマグネットテクノロジー、マグネックス

 本誌Vol.4 NO.6(1995)に掲載のように、(株)神戸製鋼所は、同社の関係会社であるジャパンマグネットテクノロジー(JMT)(株)および Magnex Scientific Limited (英)と共同で750MHz-NMR分析装置用超電導マグネットの開発に成功、販売を本格化させている。同グループは、1994年3月に世界初の750MHz-NMRマグネットを米国ペンシルバニア大学に納入したのを皮切りに、ワシントン州立大学など既に数カ所の外国主要研究機関への納入を果たしているが、このたび国内向けとしては初めて同機を神戸大学に納入した。平成7年末にノークエンチで定格750MHzまでの励磁に成功したのち、磁場均一度の調整を経て、磁場減衰率の測定をも終了している。ユーザーの蛋白関連研究者からの磁場安定度に対する要望は極めて厳しいものだが、このクラスではかなり難しいスペックと言える磁場減衰率15Hz/hの基準もすでに大きくクリヤしているという。ペンシルバニア大学に納入したマグネットは4Hz/h以下の磁場安定度を実現して順調に稼働を続けているといい、同グループの750MHz-NMR用マグネットの高性能ぶりをうかがわせる。このNMRは引き続き、国内向け今年前半だけでも数台の納入が予定されている。
 神戸製鋼所の嶋田雅生氏はこの件に関し、「今回の神戸大学の750MHz-NMRは、既存の狭い地下実験室に設置された。神戸製鋼所グループの750MHz-NMRマグネットは他メーカー機種と比較して、マグネット重量、マグネット寸法、ヘリウム蒸発量どれをとってもよりコンパクト・高性能になっている。今回もユーザーサイトでノークエンチで定格を実現した事で、コンパクト・高性能と高安定性の両立という高度の技術とノウハウを確立できたと考えている」と述べている。
 この件に関する技術的な問い合わせ先:神戸製鋼所電子技術研究所超電導研究室 嶋田雅生
電話:078-992-5652 FAX:078-992-5650, E-MAIL:aa11435@giken.kobelco.co.jp

(まぐね)


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