SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol. 8, No. 3, June. 1999.

11.1,000馬力HTSモーター用コイル出荷
_ASC社_


 4月7日付け同社プレスリリースによると、米国エネルギー省のSPI(Superconductivity Partnership Initiative)プロジェクトの一環として、海軍研究所(NRL)、ロックウェルオートメーション社のビジネスユニットであるReliance Electric社などと共同開発を進めている、1,000馬力高温超伝導モーター用高温超伝導コイル4個が完成し、4月7日、同社よりReliance Electric社に向けて出荷された。Reliance Electric社ではAC同期型、空芯、4コイル型、1,800 rpmのローターを製作し、今後6-9ヶ月の間に試験が行われる予定。高温超伝導コイルを用いるモーター開発は我国では行われておらず、米国では海軍研究所が潜水艦動力用を目的として開発を行っていると見られていた。

 同開発グループは1,000馬力を商用化到達レベルとして目標としてきただけに、今回の発表は注目されるところ。同グループは、これまでに250馬力モーターの開発成功を報じていた。また、このモーターは冷凍機によって運転されるが、この冷凍機もASC社より供給される。

 ASC社社長 Greg Yurek氏によれば、同社はすでに5,000馬力モーター用超電導線材の製造を開始しており、また、線材製造設備の増強を終えて、今後1年以内に線材製造能力を年産500 kmに引き上げる予定である。

 さらに、同社長によれば、米国電力の25 %は1,000馬力以上のモーターによってポンプ用、送風用、コンプレッサー用などに消費されている。これらモーターの年間売り上げは全世界で13億ドルであり、今後10年間でその市場は倍増する見込であるので、小型省エネルギーを特長として高温超伝導モーターの市場化を進めたいとしている。

 なお本リリース詳細はhttp://www.amsuper.com/press/1999/040799.html でみることができる。

(Iiyama)