研究室の沿革

研究室の沿革

1986年4月に投稿された論文で、IBM ZurichのJ.G.BednorzとK.A.Mullerが"高温超伝導の可能性"(二人はこの業績により翌1987年のノーベル賞物理学賞に輝くことになる)を提案しましたが、半年後の11月に、東京大学工学部田中昭二研究室・笛木和雄研究室のメンバーらにより本物であることが確認されました。また翌年2月、米国Alabama大のM.K.Wuらにより液体窒素温度(絶対温度77K)を越える臨界温度をもったYBaCuO系が発見されたことにより、世界中に超伝導フィーバーが巻き起りました。

この高温超伝導研究の初期の段階で、東大工学部・理学部・物性研などにおける精力的な研究は、国際的なトップリーダーとしてこの分野の発展に大きく寄与しました。そこで1990年(平成2年)4月に、大学院専攻課程としては日本で初めて"<超伝導工学"専攻課程>" が東京大学大学院工学系研究科内に設立され、物理工学、応用化学、電気・電子工学、金属・材料学科を中心とする教官・学生による横型専攻として誕生しました。以来、同専攻では、超伝導を始めとする物性科学、材料科学、デバイス学、計測科学、回路学、電磁力学などを中心に、従来の各専攻の枠を超えた境界領域の新しい学問として研究が行われました。

当研究室は、上記専攻課程が設立された1990年に新設されたもので、"超伝導材料学講座"という名称で活動を続けました。2005年には組織改編により、主専攻を応用化学専攻に変更し、超伝導材料に限らず熱電変換材料や光学材料など、幅広いエネルギー材料、電子機能性材料の研究を行ってきましたが、2017年3月末に実験室を発展的に整理し、以降は本Webサイト上でのバーチュアル組織として活動と情報発信を続けています。

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