シェブレル相化合物
Chevrel compounds
化学式MxMo6X8で表される化合物。Mはアルカリ金属、Pb,Sn,Cu,希土類金属など1価から4価までの金属元素、XはS,Se,Teである。結晶は立方体に近いMo6X8のクラスタが3次元的に配列したすき間にMxが配置された構造である。PbMo6S8は、超伝導臨界温度Tcが14KとA15型化合物よりも低いのにも関わらず、上部臨界磁場Hc2が60Tと高いため、高磁界用超伝導材料として期待されている。
ジェリー・ロール法
jelly roll process
超伝導線材の作製法。メッシュ状のNb板とCu-Sn合金板を重ねてジェリー・ロール(スイス・ロールともいう)状に巻いた複合体を、Cuなどの安定化材とともに、最終形状まで加工し、拡散反応温度に加熱して、メッシュ状にNb3Sn相を生成させる方法。
磁気的安定性
magnetic stability
超伝導線材においては、熱的じょう乱によってフラックスジャンプが起きないようにすることが大切であり、これを線材の磁気的安定性と呼ぶ。線材中の超伝導体を多心化すれば磁気的安定性は高まる。超伝導体と外部との熱のやり取りを考慮に入れない場合の安定化を断熱安定化と呼び、超伝導体での発熱が常伝導マトリックスに伝達されて取り除かれる効果を取り入れた安定化を動的安定化と呼ぶ。
磁気熱量効果
magnetocaloric effect
磁束の運動による熱の輸送や、熱流による磁束の運動などの効果の総称。磁束のコアは超伝導領域に比べ大きなエントロピーをもつため、その運動により熱が運ばれることによりこのような効果が起こる。電流により磁束が運動すると温度差が出来る。(電流に垂直方向の温度差:ネルンスト効果、電流に平行方向の温度差:ペルチェ効果)。また、温度差をつけることにより磁束が運動し、起電力が発生する(温度差に垂直方向の起電力:ネルンスト効果、温度差に平行方向の起電力:ゼーベック効果)。
磁気浮上
magnetic levitation
磁気エネルギーから発生する反発力あるいは吸引力を利用して物体を浮上させること。原理的には永久磁石や常伝導マグネットでも可能であるが、重量が増加したり、発熱があったりして実用的ではない。超伝導マグネットは、小型軽量で強い磁界が発生できるので、磁気浮上には最適と考えられ、種々の応用が考えられている。代表的なものに磁気浮上列車がある。
磁性超伝導体
magnetic superconductor
磁気的性質(厳密には磁気秩序)を示す超伝導体。いくつかのタイプに分類できる。
磁束運動
flux motion
様々な駆動力により起こる磁束の運動のこと。電磁気的相互作用であるローレンツ力、流体力学的なマグナス力、熱揺らぎなどの様々な駆動力により磁束は運動する。また、磁束の運動は、ピン止め中心との相互作用や、運動による粘性抵抗により抑えられる。したがって、実際の運動はこれらの多くの力のバランスにより決定される。
磁束グラス
vortex glass
混合状態において、電流0となる真の超伝導状態。高温超伝導体の混合状態の研究の過程で、フィシャーによりスピングラスとの類推から提案された、従来の磁束クリープ理論では、電流0の極限でも小さいながら必ず有限の抵抗が残る。一方、磁束グラス状態では、磁束バンドルに対するピン止めポテンシャルが電流0の極限で無限大に発散することにより、真の意味での超伝導状態が実現される。
磁束クリープ
flux creep
磁束のピン止めポテンシャルに対し、磁束の駆動力が充分小さい時ホッピング確率のアンバランスにより、磁束がゆっくりと移動していく現象。通常この素過程として熱活性型のものを考える。一方、コヒーレンス長の短い超伝導体では磁束のトンネリングによってもクリープが起こる。
磁束計
magnetic fluxmeter,flux meter
磁化の大きさを測定する装置。電磁誘導、ホール効果、SQUID(超伝導量子干渉計)を用いたものなどが使われている。なかでも、SQUID磁束計は、究極の磁束感度を持ち、高感度の電流計・電圧計としても利用できる。特に感度の高いものは、脳磁や心磁図の測定に用いられる。
磁束雑音
vortex noise
磁束の運動により発生する、ランダムな電圧変動。磁束の運動はジョセフソンの関係式E=−v×Bにより運動と垂直方向に電場を発生させる。超伝導体中の巨視的な数の磁束がそろって運動すると、一本一本の磁束線からの電場が足しあわされ、マクロな電圧として観測される。従って、この雑音を解析することにより、超伝導体中の磁束の運動状態における相関が分かる。
磁束線格子
fluxoid lattice
磁束線同士がお互いの反発力により、形成する2次元結晶格子のこと。アブリコソフにより予言されたため、アブリコソフ格子とも呼ばれる。
磁束跳躍
flux jump
超伝導体中の磁束(または磁束バンドル)が、ある安定配置からローレンツ力や熱ゆらぎにより、別の安定状態に短時間のうちに移動する現象。この磁束の運動はエネルギーの散逸を伴うため、場合によっては超伝導状態の破壊につながることもある。実用的な超伝導体では、磁束跳躍による超伝導状態の破壊を防ぐため、電気伝導度の良い金属に多数の細い超伝導線が埋め込んである。
磁束バンドル
flux bundle
超伝導状態中に侵入した磁束はアブリコソフ格子を組むが、ピン止め中心の存在により、その相関の及ぶ範囲は有限となる。このとき、相関が及ぶ範囲にある磁束の集団のことを磁束バンドルと呼ぶ。磁束バンドルが運動する場合、ただ一つの磁束バンドルのみが運動することは出来ない。したがって、動的な磁束バンドルは静的なものよりも大きくなる。
磁束ピンニング
flux pinning
磁束がエネルギー的に安定な位置に捕らえられること。磁束のコアはほぼ常伝導状態とみなしてよく、超伝導凝縮エネルギーを損している。したがって、元々超伝導でない部分に磁束をおくことにより、エネルギーを損せずに済む(コアピン止め)。また、試料の端または常伝導領域の近くにおかれた磁束は鏡像との相互作用により、その位置に捕らえられる(磁気的ピン止め)。実用的な超伝導体では、コアによるピン止めが支配的である。
磁束フロー
flux flow
磁束がピン止めポテンシャルに打ち勝つ駆動力により移動すること。通常、超伝導体に流れる電流を増加することにより、磁束クリープ状態から磁束フロー状態へと変化する。磁束フロー状態では超伝導体は線形な抵抗を持つ。高温超伝導体では熱エネルギーによる磁束フロー(熱活性型磁束フロー(TAFF):thermally assisted flux flow)が起こることが信じられている。
シャピロステップ
Shapiro step
ジョセフソン接合に外部から周波数fの高周波を照射した時に現れる定電圧ステップ。これは、交流ジョセフソン効果により生じ、1963年にShapiroにより初めて観測された。定電圧ステップVは(h/2e)nfで与えられる。(h:プランク定数、e:電子の電荷、n:整数)。この定電圧ステップは、物質に依存せず、高周波の周波数によって一義的に決まるので、電圧標準に利用されている。
遮蔽電流
shielding current
電磁誘導の法則により、磁場の変化を打ち消すために導体中に流れる電流。常伝導状態では、この電流はすぐに減衰してしまうが、超伝導状態では永久に流れ続ける。
ジュール・ケルビン効果
Joule-Kelvin effect
ジュール・トムソン効果のこと。
ジュール・トムソン逆転曲線
Joule-Thomson inversion curve
相図上においてジュール・トムソン係数(m=(dT/dP)H)が0になる点を結んだ曲線。m>0ならばジュール・トムソン膨張(絞り膨張)によって流体の温度は低下し、m<0ならば逆に上昇する。これが逆転する温度(m=0)を逆転温度という。逆転温度は圧力の関数であり、これを結んだ線が逆転曲線である。一般に高温高圧ではm<0であり、逆転曲線はp-T相図上に閉じた領域を作る。ジュール・トムソン膨張によって気体を液化するためには逆転温度以下まで何らかの方法で冷やしてやる必要がある。
ジュール・トムソン膨張
Joule-Thomson expansion
熱および仕事の出入りのない流体の膨張過程。膨張の前後でエンタルピーが保存されるため等エンタルピー膨張ともいう。理想気体ではジュール・トムソン膨張によって温度の変化はないが、実在の気体ではジュール・トムソン係数(m=(dT/dP)H)に基づく変化が生じる(ジュール・トムソン効果)。気体の冷却に用いる場合には逆転温度以下から膨張を始めなければならない。ジュール・トムソン膨張は不可逆過程であり効率は悪いが、可動機械要素を必要としないため多くの液化システムに利用されている。
準粒子トンネル効果
quasiparticle tunneling effect
超伝導トンネル接合において、準粒子が量子力学的にトンネルし、電流が流れる現象。超伝導体でのエネルギーギャップを反映し、二つの超伝導体のエネルギーギャップの和において、電流が急激に増加する非線形な電流-電圧特性が観測される。1960年にGiaeverによって初めて観測された。
蒸気圧温度計
vapor pressure thermometer
液体と熱平衡にある気体(蒸気)の圧力を測ることによって液体の温度を計測する方法。ギブスの相律によれば純物質の液相が気相と共存する場合の自由度は1であり、圧力が決まれば平衡にある温度は一意に決まる。液体ヘリウムなどの低温液化ガスについてしばしば用いられる。特に、液体ヘリウム3と液体ヘリウム4については0.65〜5.0Kにおける関係式が国際温度目盛の実現法として採用され、定義されている。
蒸気圧縮サイクル
vapor compression cycle
ジュール・トムソン膨張を利用した冷凍サイクルのうち、特に飽和蒸気あるいは湿り飽和蒸気の状態にある冷媒を圧縮するサイクルのこと。圧縮機で圧縮された冷媒は凝縮器で冷却されて飽和液体になる。さらに膨張弁でジュール・トムソン膨張し、低温の湿り飽和蒸気となり蒸発器に導かれ、ここで外部の熱を吸収して蒸気となり圧縮機に向かうというサイクルからなる。冷蔵庫やクーラーなどに広く利用されている。
常伝導
normal conduction
電気抵抗が0となる超伝導に対比させたときの通常の電気伝導のこと。金属などでの電気伝導は、1電子の外場による加速、格子振動・不純物などによる散乱などにより決まる。
常伝導状態
normal conducting state, normal state
超伝導状態に対比させた、通常の電気伝導機構により電気伝導が起こる状態。超伝導体の場合、超伝導転移温度以下でも、ある磁場(臨界磁場)または電流(臨界電流)を超えると、超伝導状態から常伝導状態に転移する。
蒸発熱
heat of vaporization
飽和液がこれと平衡にある飽和蒸気に変わるときに吸収される熱量。蒸発潜熱、気化熱。液体、気体のエントロピーをSt, Sg、温度をTとするとき、蒸発熱は(Sg-St) Tで与えられる。一般に沸点の低い液体ほど蒸発熱は小さい。また、臨界点に近づくに従って蒸発熱は急速に0に近づく。
上部臨界磁界(磁場)
upper critical field
第2種超伝導体において超伝導状態を保つことのできる最大の磁場。従来型の超伝導体においては、明確に定義される相転移磁場と考えられていた。しかし、熱ゆらぎの大きい高温超伝導体では、超伝導状態から常伝導状態への単なるクロスオーバー磁場にすぎないと考えられている。
常流体
normal fluid
超流動を示さない通常の流体。
常流動ヘリウム
normal fluid helium
常流動相にある液体ヘリウム。液体ヘリウムTともいう。
ジョセフソンAC回路
Josephson AC effect
交流ジョセフソン効果と同じ。
ジョセフソン回折効果
Josephson diffraction effect
ジョセフソン干渉効果と同じ。
ジョセフソン干渉効果
Josephson interference effect
ジョセフソン接合に磁場を印加した際、接合の最大ジョセフソン電流が磁場に対しても振動する現象。これは直流ジョセフソン効果により生じ、最大ジョセフソン電流に磁場依存性は、I0|sin(πΦ/Φ0)/(πΦ/Φ0)|で与えられる。ここでI0は無磁場での最大ジョセフソン電流、Φは全磁束、Φ0=h/2eは磁束量子。この磁場依存性は、単一スリットでの光の干渉効果と類似のため、フラウンホーファー干渉パターンと呼ばれる。ジョセフソン回折効果ともいう。
ジョセフソン結合エネルギー
Josephson coupling energy
ジョセフソン効果の結合の強さを表すエネルギー量。接合の最大ジョセフソン電流をI0とすると、hI0/4πeで定義される。ここで、hはプランク定数、eは電子の素電荷。
ジョセフソン効果
Josephson effect
超伝導トンネル接合において、超伝導体の電子対が量子力学的にトンネルし、0電圧で超伝導電流が流れる現象。1962年、Josephsonにより予言され、AndersonとRowellにより実験的に実証された。この効果は、その後のトンネル接合だけでなく、二つの超伝導体が弱く結合した構造でも現れることが確認された。観測される現象により、直流ジョセフソン効果と交流ジョセフソン効果に分けられる。ジョセフソントンネル効果ともいう。
ジョセフソンコンピュータ
Josephson computer
ジョセフソンデバイスの高速性と低消費電力性を利用した高速コンピュータ。論理・記憶集積回路を用いた小規模システム(4ビットマイクロプロセッサ)が開発されており、クロック周波数は1GHzと高速である。大規模化のためにコアの部分にジョセフソン集積回路を用い、他の部分に半導体集積回路を用いたハイブリッドシステムも研究されている。
ジョセフソン・サンプラ
Josephson sampler
高速信号の信号波形を測定する装置。パルス発生器と比較器からなる。ジョセフソンデバイスの高速スイッチ特性を利用して鋭い電圧(電流)パルスを発生させ、このパルスを用いて信号波形をサンプリングする。パルス幅により時間分解能が、比較器により電圧(電流)分解能がきまる。数psの時間分解能、数mVの電圧感度を有するものが開発されている。
ジョセフソン集積回路
Josephson integrated circuit
一つの基板上にジョセフソンデバイスを多数個集積化して作製した電子回路。デバイスの形成、微細加工、分離・配線などの集積化技術を用いて作製される。ジョセフソンコンピュータ用の論理・記憶集積回路や高速信号計測用のジョセフソンサンプラ、A/Dコンバーターなどが開発されている。半導体集積回路とハイブリッド化したシステムも研究されている。
ジョセフソン周波数
Josephson frequency
交流ジョセフソン効果を参照のこと。
ジョセフソン侵入長
Josephson penetration depth
ジョセフソン接合に磁場を印加すると、磁場が指数関数的に遮蔽され、そのときの接合端から磁場が侵入する深さ。通常、超伝導体の磁場侵入長より大きい。
ジョセフソン接合
Josephson junction
二つの超伝導体を弱く結合させた、ジョセフソン効果が現れる接合の総称。接合の弱結合の構造により分類され、SIS接合、SNS接合、ブリッジ型接合、点接触接合、粒界ジョセフソン接合などがある。電子デバイス応用の観点から、ジョセフソン接合素子ともいう。
ジョセフソン接合素子
Josephson junction device
ジョセフソンデバイスと同義。
ジョセフソンデバイス
Josephson device
ジョセフソン接合を用いた電子デバイスの総称。ジョセフソン接合、抵抗、インダクタンスの構成要素を集積化してデバイス形成がなされる。デバイスとしては、ディジタル回路用高速スイッチ素子、SQUID、ミリ波・サブミリ波帯SISミキサ、電圧標準などが代表的なものである。
ジョセフソン電圧標準
Josephson voltage standard
交流ジョセフソン効果を用いた電圧の標準。電圧の精度は5ppb程度。ジョセフソン接合に周波数f(数十GHz)のマイクロ波を印加すると、その電流-電圧特性にはV=nh/2efの電圧位置に電流ステップが誘起される(シャピロステップ)。ここで、nは整数、hはプランク定数、eは電子の電荷。この電圧を標準として用いる。ジョセフソン接合を2000〜20000個直列に接続した1Vまたは10Vの電圧標準が開発されている。
ジョセフソン電流
Josephson current
直流ジョセフソン効果を参考のこと。
ジョセフソン同期効果
Josephson synchronization
二つ以上の直列接続されたジョセフソン接合アレイにおいて、このアレイがあたかも一つの接合のようにふるまう現象。実際、独立に電圧バイアスされた接合アレイで、アレイの個々の接合が互いに同期しあい、コヒーレントなジョセフソン周波数をもつ発振現象が観測されている。ジョセフソン接合を用いたマイクロ波の発振、検出の高性能化への利用が期待されてる。
ジョセフソントンネル効果
Josephson tunnelling effect, Josephson tunnell effect
ジョセフソン効果と同義。
ジョセフソンプラズマ周波数
Josephson plasma frequency
ジョセフソン接合において、位相差が0近傍で微小振動するときの接合の共振角振動数。最大ジョセフソン電流をI0、接合容量をC、プランク定数をhとすると(4πeI0/hC)1/2で与えられ、代表的な値はマイクロ周波数領域である。ジョセフソンプラズマ周波数は、接合平面内を伝搬できる周波数の下限になる。
ジョセフソンミキサ
Josephson mixer
交流ジョセフソン効果を用いた電磁波検出用デバイス。電磁波の照射によりジョセフソン接合の電流-電圧特性にステップが誘起される現象(シャピロステップ)を利用。SISミキサの上限周波数が1THz程度となるため、それ以上の高周波数帯での開発が期待されている。高周波帯で問題となる接合容量を小さくするため、SIS接合以外のジョセフソン接合が用いられる。
ジョセフソンメモリ
Josephson memory
ジョセフソンコンピュータ用の記憶素子。超伝導ループを流れる永久電流により情報を記憶する。記憶の単位はループに蓄えられる磁束量子Φ;0=2.07×10-15〔Wb〕。情報の読み出し・書き込みを行うため、実際の記憶デバイスとしてはループにジョセフソン接合を挿入したSQUIDを用いる。ニオブ系集積回路技術を用いてメモリ容量4Kビット、アクセス時間380psのものが開発されている。
ジョセフソン臨界電流
Josephson critical current
最大ジョセフソン電流と同義。
シンクロナイゼーション効果
synchronization effect
超伝導体におけるピーク効果を起こす原因の一つ。上部臨界磁場付近において磁束格子の揃断定数が小さくなり、磁束がピン止め中心に捕まりやすくなることによりピン止め力が増大し、臨界電流密度の増大(ピーク効果)が観測される。同様の効果は、磁束格子融解磁場付近でも観測される。
心磁計
magnetocardiograph
心臓の活動により発生する磁場を無侵襲で検出する装置。心臓からの磁場の強さは、B〜10-11〔T〕であり、SQUID磁力計で測定される。従来の心電図と相補的に用いられるとともに、心電図で検出されない心疾患診断を目的に研究されている。脳磁計とともに、SQUIDを用いた生体磁気計測の医療応用として期待されている。
真性第二種超伝導体
intrinsic type U superconductor
不純物や欠陥の少ない純粋な試料でも、第2種超伝導体の性質を示す超伝導体。元素ではNbとVがある。超伝導臨界温度の高い化合物は、ほとんど真性第2種超伝導体である。一般に、純粋な試料で第1種超伝導体の性質を示す物質でも、試料中の不純物や欠陥が増加し、電子の平均自由行程が短くなると、第2種超伝導体に変化する。
侵入深さ
penetration depth
超伝導体の表面から磁場が侵入する距離。