超伝導用語事典



冷凍サイクル
refrigeration cycle

通常の熱機関では高温から低温へ熱の受け渡しを行うことによってそのエネルギーの一部を外部にたいする仕事として取り出す。これとは逆に,外部からエネルギーを投入することによって,低温熱源から熱を取り,これを高温熱源に吐き出すサイクルを冷凍サイクルという。作業物質として気体を使うものに,リンデ液化サイクル,蒸気圧縮サイクル,吸収冷凍サイクル,クロードサイクル,スターリングサイクル,ギフォード・マクマフォンサイクル,ソルベーサイクルなどがある。この他,磁性体を用いた磁気冷凍サイクル,ぺルチェ効果を応用した熱電冷凍サイクルなどもある。


冷凍トン
ton of refrigeration

冷凍能力を表す実用単位の一つで,24時間で0℃の純水1000kgを0℃の氷にするに相当する能力を1冷凍トンという。1冷凍トン=3.86kWである。


冷凍能力
refrigeration capacity

冷凍サイクルにおいて,低温熱源から単位時間に取り出される熱量のこと。


冷媒
coolant, refrigerant

冷凍機の作業物質として用いられる物質,あるいは低温維持のために用いる低温液化ガスのこと。前者については,室温から-50℃程度の温度域の冷凍機ではフレオン,アンモニアなどの気体が,-200℃以下の低温用冷凍機ではヘリウムが利用されている。後者は寒剤ともいい,液体窒素(沸点77K)と液体ヘリウム(沸点4.2K)が代表的である。