熱機械効果
thermomechanical effect
超流動ヘリウムが示す効果の一つ。等しい高さに超流動ヘリウムが入った二つの容器を、狭い隙間(スーパーリーク)でつなぎ、両者に温度差をつけると温度の低いほうから高いほうにヘリウムが流れ、ある圧力差になったところで止まる現象。いわゆる2流体モデルで説明される。すなわち、高温側の容器では超流動成分が少なく、上流動成分は多いから、常流動成分の濃度を下げるように、超流動成分が低温側から高温側に移動する。常流動成分はスーパーリークを移動できない。
熱的安定性
thermal stability
じょう乱などの原因で、超伝導線材中の超伝導体が局所的に常伝導に転移した場合、発熱が起こるが、このような状態になっても熱が速やかに熱伝導によって逃げてくれれば温度が下がり、再び超伝導状態に復帰する。このような熱的安定性を高めるためには、超伝導体を熱伝導の良好な銅やアルミニウムなどと複合するのが有効である。このように熱伝導を担って線材の温度が上がらないようにする部材を安定化材という。
熱力学的臨界磁場
thermodynamic critical field
超伝導状態に入ることによるエネルギーの得を磁場で表したもの。Hcで表される。単位体積あたりの超伝導状態のエネルギーは常伝導状態に比べμ0Hc2/2だけ低い(μ0は真空の透磁率)。