超伝導用語事典



ヘリウム
Helium

原子番号2の元素で、常温常圧では水素に次いで軽い不活性気体である。大気に約5ppm含まれるが、工業用には天然ガスからの分離によって生産されている。液化ヘリウムは4.2Kの沸点を持ち、低温実験に欠かせない寒剤である。


ペロブスカイト型構造
perovskite structure

化学式ABX3で表される化合物群に見られる結晶構造。A原子としては、原子サイズの大きいアルカリ金属、アルカリ土類元素、希土類元素、B原子としては、比較的小さな遷移金属元素、Ga,In,Tl,Sn,Pb,Biなど、X原子としては、酸素やフッ素などが代表的である。Xイオンは八面体構造をなし、各八面体の中央にBイオン、8個の八面体の作る空間にAイオンが入る。理想的には立方晶系に属し、空間群はPm3mであるが、多くの場合、少しひずんでいる。酸化物高温超伝導体の結晶構造は、この構造になっている。各イオンの置換により、組成を大幅に変えることができ、多様な物性機能を持つ結晶化合物が作製できる。


ペロブスカイト超伝導体
perovskite superconductor

ぺロブスカイト型構造、あるいは、ぺロブスカイト型構造を基本とする複合構造をもつ酸化物系超伝導体。ペロブスカイト型構造のものでは、SrTiO3-δ(超伝導転移温度Tc=0.5K)、BaPb1-xBixO3(Tc=13K)、Ba1-xKxBiO3(Tc=30K)がよく知られている。後者の二つの化合物においては、ペロブスカイト構造の(Pb,Bi)O6八面体に基づく電子・フォノン相互作用が強いことが超伝導の発現に効いていると考えられている。複合構造のものではCuを含む酸化物高温超伝導体が有名である。

g