SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.17, No.5, October. 2008

ITERのコストが19〜25億ドル増加、運転開始は2年遅れる予定!
_科学アドバイザー・グループ_


科学アドバイザー・グループは、国際ITER核融合プロジェクトは最初のプラズマを2018年に、即ち2016年に核融合を開始する最初の目標から2年遅れでプラズマの生成を目指すと報告した。さらに、12~16億ユーロ(19~25億ドル)の追加が本建設のためには必要となり、最近50億ユーロ(78億ドル)が予算化された。これらの変更を含む新しいプロジェクト仕様は、2008年6月18日に開かれたITER評議会で承認された。
 科学アドバイザー・グループによって作成された仕様書は、追加的金額は重要な設計変更と参加国間の調整のために必要であると言っている。最初の予算は、建設場所が合意される以前に作成されたものである。今や、ITERがフランスのカダラッシュに建設中であり、地震に対しても弾力あるものでなければならない。それから、中国とインドが当プロジェクトに加わり、これも人件費の増加につながった。
 「この価格は、実施される前に倍増すると私は個人的に考えている」とメリーランド、ゲチスブルグに拠点をおく研究・教育基金、核融合電力提携団体の会長であるS. Dean氏は語っている。ITER職員はこの新しい目標は達成できると考えている。ITERスポークスマンのN. Calder氏は、「よい再吟味は今だからこそ可能であろう、ITERの組織は2006年に構成されたに過ぎない」とコメントしている。

(こゆるぎ)


(SuperconductorWeek誌2008年7月28日号, Vol. 22,No. 11)