SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.17, No.2, April. 2008

6.ASC社が25 MドルのHYDRAプロジェクトを受注!


 アメリカンスーパーコンダクター社(AMSC社)は内国安全省から25 MドルのHYDRAプロジェクト契約を受注した。HYDRAプロジェクトは、HTS電力システムが大きな系統電力負荷と制御電力の大波に耐えるように、事故電流を限流する(FCL)能力を組み込もうと13 kVの“安全なスーパー系統技術”の開発を狙っている。(SuperconductorWeek誌2008年2月13日号 Vol. 22, No. 2)

 内国安全省(DHS)は、2007年5月AMSC社とそのパートナーが手紙の契約により仕事を始めてから、当プロジェクトに対して約38 Mドルを供給した。当プロジェクトの合計コストは、39 Mドルであり、その内14 MドルはAMSC社とそのパートナーConEdison及びSouthwire社が支払った。

当電力ケーブルシステムは、2010年早く統合Edisonマンハッタン電力系統に採用が予定されている。当プロジェクトの次の大きなマイルストーンは、50 m長のプロトタイプHTSケーブルの製作と試験であり、2008年末までに完遂が期待されている。試験は、オークリッジ国立研究所と共同して実施されるだろう。

 フルスケール300 m長のHTS電力ケーブルシステムは、ConEdisonのマンハッタンの2つの変電所を繋ぐもので、ConEdisonの建設スケジュールに見合って2010年に設置し、運転するスケジュールを予定している。本システムは、約93マイル(150 km)のAMSC社の344超伝導線を必要とする。AMSC社社長のG. Yurek氏は、「我々の安全なスーパー系統技術に対する市場からの反応は大変なものである。世界中の電力会社は、閉塞箇所を緩和し、系統中の電力の動揺を即座に抑止する方法を探している。安全なスーパー系統技術は、2つの課題を同時に解決する。このHYDRAプロジェクトは、世界中の都市に於ける安全なスーパー系統技術解決策の最初の実施例になると思う《と語った。

 最近の暴露紙によれば、AMSC社は2007年の最初の6ヶ月の間にCassidy&Associates社へ政府の裏面工作の為に10 Mドルを支払ったという。US議会が発表した公文書は、Cassidy&Associates社が議会と国防省に対して、防衛予算と電力輸送技術について賛成運動したことを示している。この期間に、AMSC社は内国安全省(DHS)から25 MドルのHYDRAプロジェクト実施の随意契約を受注した。

 AMSC社は、自社超伝導電力技術の研究開発を支援するべく、大きな政府契約の獲得において熟達した能力を証明した。然しながら、大抵の契約はエネルギー省(DOE)か国防省(DOD)から来ている。2007年5月21日に発表されたこの新しいDHSプロジェクトは、もう一つの重要な資金源を表している。

 昨年の8月、AMSC社はエネルギー委員会と米下院通商部からの契約に関連した書類の要請を受けた。AMSC社は、この調査を“きわめて典型的な政府内の口論”と呼んでおり、調査中なのはAMSC社自身ではなくて、契約関係であると強調した。「我々は調査されておらず、皆おそらく内国安全省自身も今回の契約は順調に進むだろうと予想している。《とYurek氏はコメントした。

 今回の件が明らかになって以来、当調査が続くという兆しは何も無かった。AMSC社取締役のJ. Fredette氏は、「ここ数ヶ月間当調査については何も聞いていない。我々に関する限り、それは常に問題ではなかった。1月にサインした本契約は、すべての人に“我々、ConEd及びDHSは本プロジェクトが2010年の完結に向けて進展するのを見守ろう”という確信を与えよう《と、コメントした。

  

(相模)