SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.16, No.5, October. 2007

5.ASG, Columbus, Paramedが無冷媒式MgB2-MRIマグネットを製作!


 ASG超伝導社、Columbus超伝導社及びParamed医学システム社は、MgB2材を用いた無冷媒式全身型MRIマグネットを開発した。“MRオープン”と呼ばれる本システムは、閉所恐怖症を防ぎ、多数の患者の撮影診断を容易に出来るようU形の形状を持っている。(Superconductor Week vol.21, No.15)

 本機は、イタリアの工業グループMalacalzaとの共同で設計された。Paramed社はシステムを設計し、ASG超伝導会社はマグネットを開発し、Columbus超伝導会社はMgB2技術を開発した。当マグネットは、無冷媒式で設置が容易であり、維持管理も液体窒素やヘリウムを用いる通常の超伝導マグネットよりはるかに安価である。当マグネットは0.5 Tの磁界を発生するが、Paramed社は近い将来もっと高い磁界を発生できるシステムの導入を計画している。

 Paramed社は、進出の初年度に7~8システムの販売を、2年目からは最低15~20システムの販売を計画中であるという。一方、MgB2材を用いるもう一つのMRIシステムがイタリアのAnsaldo社により開発中という。  Frost&Sullivan社は、Paramed社の2007年度ヨーロッパ企業家賞受賞を認めている。「専用MRIシステム向けソフトウェアの提供者として出発し、急速に特別なイメージングシステムの製作者に変身しながら、Paramed社はMRI市場内の新分野に進出すべく弛みない意欲を示した。同社は、常に他社の一歩先を行き、顧客のニーズを予測して新製品を導入した。Paramed社の革新的なMRオープンシステムは、市場に大きな衝撃を与えると期待され、同社の常に新市場を開拓しようとする熱望の帰結である」と、Frost&Sullivan社は述べている。

 毎年、Frost&Sullivan社は優れた企業化能力を研究期間に実証し、大きな市場潜在性を持つユニークな製品を開発し、健全なマ*ケッティング戦略を開発した小企業に賞を贈呈している。

Paramed医学システム社:イタリアに拠点を置き、1998年に創立された会社である。同社は、MRI検診によって引き起こされる上快を軽減するシステムを設計し、製作し、商業化を図っている。従業員の半数は、R&Dの経歴を持っており、オープン撮像機、整形外科医に役立つ専用システムあるいは他の特別システムのような新しい概念の機器を開発している。Paramed社MRIシステムは、アメリカとヨーロッパで販売されている。

                               

  (相模)