シーメンス社とASC社はまた、両社の戦略的連合の3年目を拡張すると発表した。連合に先立って、両社は1G高温超伝導線に基づいて限流器を開発するプロジェクトを進めていたが、線材の高コストの故に中止したと報じられている。戦略的連合は、2G線材限流器を目的としてASC社がシーメンス社仕様に合わせて線材を製造し、シーメンス社がそれを用いて限流器を設計・製造することになっていた。(SuperconductorWeek誌 Vol. 19, No. 3 を参照のこと) シーメンス社技術部門長のH.W. Neumueller氏は、「我々は、過去2年間のASC社との共同研究によって大きな進歩を達成した。新しいテスト結果に基づき、両社の結合した努力によって商業的限流器を開発する明るい見通しが得られた。」とコメントしている。
米国エネルギー省(DOE)は、限流器の潜在的市場は次の15年間に数10億ドルの規模と予想している。米国エネルギー省の前長官であるJ. Daley氏は、138 kV定格の限流器は米国における主要な電力応用に向かう重要な一歩となるだろうと語った。 他の限流器開発者は、もっと低定格の限流器に市場があると期待している。中国の電気技術協会(IEE)副理事長のL.Xiao氏は、定格電圧が10.5 kVから750 kV、定格電流が300 Aから2 kA、回復時間が200 ms以下の限流器に対しては商業的な用途が在ると考えている。昨年、当電気技術協会は10.5 kV/1.5 kAブリッジ型HTS限流器の実証試験を実施した。最近、SCPower社は138 kVHTS限流器コントローラーを開発中である。
(相模)