SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.16, No.2, April. 2007

8.Zenergy社とConverteam社がHTS風力発電機の開発契約を締結!


  ZenergyPower社は、Converteam社(以前のALSTOM電力変換)と風力及び水力用発電機を共同開発し、製造してマーケッティングするために5年間の独占的共同契約を結んだ。Zenergy社は、今後この分野のConverteam社の商用活動にかかわるすべてのHTS線材及びコイルの独占的供給者になると言う。(Superconductor Week誌2007年3月26日号 Vol. 21, No. 5 )

 Converteam社によって導かれ、UK通産省から資金援助を受ける1つのプロジェクトが、最近Zenergy社のHTS技術に基ずいて8MW直接駆動の超伝導風力発電機の設計を行っている。Zenergy社によれば、従来のモーターに対するHTSモーターの有利な点は、サイズと重量が小さいこと、オーバーロードを扱う能力が高いこと、搊失が従来の50%と低くなること等である。

 Converteam社社長のPierreBastid氏は、「HTS風力タービンの特別高い電気的効率と電力密度は、持続可能な電力製造産業が直面している重大な技術的並びに経済的挑戦を克朊する上でもっとも実行可能性の高い解決策を示していると思う。Zenergy社チームと長期間緊密に作業してきた経験から、彼等のHTS技術に対する革新的なアプローチと我々のシステムを統合する能力とを組み合わせると、極めて高い実効性を獲得出来ると考えている」と語った。

 Zenergy社によれば、HTS風力タービン発電機のコストは1.2 Mユーロ(1.6 Mドル)であり、対して従来技術によるものは2.3 Mユーロ(3 Mドル)である。HTS方式のものは直径が3 m、重量が120トンに過ぎないのに対して、従来方式は直径が9 m、重量が450トンになる。同社は、HTS発電機は風力タワーと基礎の重さが半分以下に軽減され、設置の全体コストが5.1 Mユーロ(6.7 Mドル)から2.4 Mユーロ(3.2 Mドル)に削減されると期待している。

 Zenergy社及びConverteam社の両社は、臨海風力発電市場がHTS技術にとって最も大きく、商業的に最も生育力がある市場になりそうであるという信念を共有している。Zenergy社は、風力及び水力発電市場は年当たり20~30億ユーロ(26~39億ドル)になり得ると見積もっている。比較の為同社は、HTS船舶推進とケーブルの市場は夫々年当たり4億ユーロ(5億ドル)と10億ユーロ(13億ドル)と見積もっている。

 Zenergy社とConverteam社は、ドイツのE.ON 電気・水力ダムに設置されるHTS水力発電機を開発するため公的基金で支援された水力発電セクターを運営実行している。                 

   (相模)