SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.16, No.2, April. 2007

7.現代重工業が2G限流器を実証試験!


 現代重工業は、延世大学と共同で2G線材を用いて単相超伝導限流器(FCL)を開発し、実証試験を行った。この単相器は13.2 kV, 630 Aで動作し8.3 MVAの容量を持ち、22.9 kVの3相電力機器電圧階級に対応する。この2G線を用いたFCLは2006年12月、韓国電気技術研究所(KERI)で試験が行われた。当限流器はこのプロジェクトの目標電圧50 kVよりほぼ3倊高い143 kVを達成した。限流器は30 kAのピーク事故電流を3.6 kAに抑制した。回復時間は最初のテストでは測定されなかった。

(SuperconductorWeek誌2007年2月26日号 Vol. 21, No. 3 )

 現代重工の限流器は、非誘導式のHTSコイル設計に基づいている。現代重工は設計の詳細についてコメントしたがらないが、同社のFCLプロジェクト主設計者のB.Y.Seok氏は「われわれのHTSコイル設計は冷却と電気絶縁の面で有利である」と強調した。

 13 kVのFCL内臓コイルは、American Superconductor社から供給された約2.6 kmのステンレス・スチール積層2G HTS線で構成されている。Seok氏は「この線材はFCL設計によく適合している。YBCO厚膜導体は均一なクエンチ特性を持ち、FCL向けの大容量HTSコイルを作るのが容易である。ステンレス・スチール積層線は、クエンチ時の長さあたりの抵抗が銅積層線より高く有利である」と語った。

 現代重工は配電システム向けに30 kV-60 kVの限流器と、送電系統向けに154 kVの限流器を最終的に製造することを望んでいる。現代重工の研究者はFCLシステム向けに高圧のサブクーリングシステム(65 K/3 bar)を設計し、また商用デバイスで要求される他の要素に関して、高電圧パワー装置用ブッシング設計技術を含めて作業している。

 より大きなFCLを開発することの経済性は、超伝導部品のスケールアップを含めてなお上透明である。「より大きなFCLが必要とする線材量を評価することは困難である、何故ならそれにはFCLの定格電力、HTS線材の仕様、動作温度等々と深い関係があるからである《とSeok氏はコメントしている。

 韓国のFCLプログラムは、Development of Advanced Power system by Applied Superconductivity technologies(DAPAS)を通してMinistry of Science & Technologyより資金供給を受けている。現代重工の限流器は、2004年以来開発が続行している。もう1つのFCLプログラムは、韓国電力研究院(KEPRI)とLS工業システム(LSIS)とのチームによって実行されている。                      

  (高麗山)