中でも製造工程をいかにクリーンにするかが、医薬品設備に求められる。このような高度なクリーン環境が要求される医薬品の製造においては、攪拌時に容器が密閉されている必要がある。この密閉容器内に回転を伝える手段としては、機械的なシール方法と、磁気カップリング方式がある。機械的なシール方法は、密封構造が接触しているという欠点がある。一方、磁気カップリング方式では、密封構造が非接触であるという利点があり、現在、このタイプのミキサーに対する需要が高まっている。 現在、マグネオ技研は、磁気カップリング方式による液体混合用ミキサーの販売を行っており、ワクチン製造用の液体攪拌装置としての紊入実績がある。しかし、永久磁石を用いた磁気カップリング方式は、基本的には安定ではないため、容器内部で回転を支持する必要がある。このため、容器内の回転部分にはセラミックスベアリングを用いている。この場合、ベアリング部での磨耗による異物混入の可能性はゼロではなく、その後の工程でフィルターなどによる精製を余儀なくされている。つまり、完全にクリーンなミキサーとは言えない。
マグネオ技研と芝浦工業大学は、超電導のピニング特性を利用すると、非接触で完全に安定な浮上が可能となることに注目し、超電導浮上を利用した完全非接触型超伝導ミキサーの開発に成功した。 マグネオ技研の秋山社長は「現在、ワクチンメーカー向けに、セラミックスベアリングを用いた攪拌装置を紊入しているが、ベアリング部分の磨耗によるコンタミは避けられない。超電導を利用すれば、完全非接触型の理想的なミキサーをつくることができる。できるだけ商品化を急いで、実用化にこぎつけたい。《と語った。
この状態で、下側の磁石を回転すると、超電導体は液体窒素中で回転し、同時に上側の磁石も回転する。
この原理を利用した装置は図2のようになる。
下側の磁石は回転モータに固定されており、上側の磁石は容器内にあり回転翼を装着している。磁石をモータで回転すると、密閉容器内の磁石が完全非接触状態で回転して、液体を混合することができる。
(豊洲引越のS)