SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.15, No.2, April. 2006

4. 米国エネルギー省が2007年度予算4100Mドルを要求中!


 米国競争イニシャティブ(CI)の一部として、エネルギー省秘書官のS. Bodman氏は、2007年度予算としてDOE科学事務所(OOS)は2006年度予算額に対して505Mドル増加の4100Mドルを要求中と発表した。この予算案は、OOSを2016年までにその予算を2倊にする軌道にのせようとするものである。もし法律化されれば、新予算は米国の基礎科学研究投資に最も必要とされる増加を意味する。しかし、核融合研究への出資を増やす一方、当予算案は強力な国内核融合研究プログラム(ITERが国内核融合資金に食い込みつつある)を擁護する恐れを確認させるものである。(Superconductor Week誌2006年2月28日号 Vol.20, No.3)

「これは歴史的ステップであり、この国の科学の将来を変えるだろう。科学に於ける米国の持続するリーダーシップは、わが国の技術革新し成長する能力にとって決定的に重要である。これらの資金は、また新しい教育及び技術修練の機会を提供するだろう。そしてそれは彼等が成功するのに必要な道具、即ち次世代の科学者、教師及び技術者を与えるだろう」とBodman氏は語った。OOS所長のR. Orbach氏は、「この資金付けは、物理科学界におけるわが国の国立研究所のR&Dリーダーシップの為にもっと効率的に使用する努力と結び付けられるだろう」と語った。

基礎エネルギー科学(BES)プログラム向けに1.421Mドル、2006年度対比286.4Mドル増の予算が提案されている。BESプログラムは4つのシンクロトロン放射光源、3つのニュートロン散乱施設、4つの電子ビームマイクロ特性同定センターと1400MドルSpallation Neutron Source(SNS)をサポートしている。BES予算内で、105.9Mドルはライナック・コヒーレント光源の設計及び建設の継続に使われる。99.7Mドルの増加はSNSの初年度運転費をまかない、45Mドルの増加は国立シンクロトロン光源No.2プロジェクト向けにR&Dと技術設計を提供する。

87Mドルの増額が原子物理プログラムのために要求され、合計454Mドルの予算が付けられた。この要求で、Thomas Jefferson国立加速器施設(TJNAF)と相対論的重イオン衝突器(RHIC)の運転が復活する。加えて、新しい予算付けがTJNAFのパワー増強とRHICの新インジェクター用に要求されている。775.1Mドル、2006年度対比58.4Mドル増が高エネルギー物理プログラムの実験施設運転のために要求された。これは、電子・ニュートリノ出現プロジェクトの技術・設計費10.3Mドルを含んでいる。

核融合研究プログラムは、2007年度予算の提案では31.3Mドル増加して319Mドルの予算になるだろう。この予算の内、60MドルはITERプロジェクトの2年目の参加者に割り当てられている。予算の増加によりITERへの全的参加がサポートされる一方、核融合プログラムの残りの部分は2006年度に近いレベルに維持されよう。提案されている水平的支出は、明らかにBodman氏の初期のコメント(国内計画をITERとバランスさせることは任意の決定であり、何らかの犠牲がなされる必要があろう)を反映している。 先進科学計算研究(ASCR)プログラムは84Mドル増額して318.7Mドルが提案されている。バイオ・環境的研究は54.6Mドル増額して510.3Mドルが提案されている。先生と科学者のための労働力開発プログラムは3.8Mドル増額して11Mドルが提案されている。                       

                               

(高麗山)