SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.14, No.2, April. 2005

7. カナダ風力発電農場向けD-VARを受注—
63 MWの無公害エネルギー源電圧制御用として
  _米国ASC社_


 去る2月23日、American Superconductor Corporation (ASC)は、米国−カナダ国境近くにあるKettles Hill (KH) 風力発電農場向けにD*VAR電圧制御システムを受注したと発表した。これで風力発電農場主が、その発電施設を高い信頼性と安全性を持って送電系統と接続する為に、ASC社製品を選択した件数は8件になった。( Feb. 23/PRNewswire-First Call )

KHプロジェクトは、モンタナとアイダホの境界に近いアルバータ郡南端のピンチャクリーク付近に設置される予定で、現在KH風力エネルギー会社 (Creststreet 資本会社とBenignエネルギーカナダ会社間のジョイントベンチャー) により開発中である。2006年春完成予定の当施設は、35台のVestas風力タービンを収容し、63 MWに上る無公害エネルギーを発生する。

KH会社によって購入された電圧制御システムは、単一のD-VARユニットとトランス、キャパシターバンク等の補助機器から成り立っている。この配置において、当システムは風力農場全体の電圧をダイナミックに制御する。送電系統との接続地点で、風速の変化に従って電圧が上下に変動するのに任せる代わりに、D-VAR解決手段は送電系統へ流れる電力に対して定常の電圧を維持する。このように運転しながら、D-VARシステムは風力発電農場が地区送電系統業者ーこの場合はアルバータ電気システム運転業者(AESO)の接続要件を満たす事を可能ならしめるものである。

総括的に云えば、当システムは北米で7番目の風力発電農場であり、世界的にはASC社の先進的なD-VAR電圧制御技術を採用した8番目のシステムである。これらのプロジェクトではASC社のD-VARシステムによりサービスを受ける全風力発電量が610 MW以上に増加する*即ち30万以上の家庭の電力需要を満たす無公害のエネルギー源を意味する。それはまた、北米の風力発電農場開発者がASC社のD-VARシステムとVestas風力タービンを組み合わせる4回目の機会である。

D-VAR:ASC社のDynamic Reactive電力系統安定化装置製品の商標吊。

  (相模)