SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.14, No.1, February. 2005

7. Nexans社がヨーロッパの2Gケーブル・プロジェクトのコーディネーターに!_Nexans_


 Nexans社フランスは、ヨーロッパに於ける最初の次世代(2G)ケーブル・プロジェクトの推進役を受け持つことになった。当Super Coated Conductor Cable (Super3C)プロジェクトは、単相30 m長の10 kV - 1 kA超伝導ケーブルをEuropean 2G線材を用いて製作し、試験することを目指している。この5Mユーロのプロジェクトは、研究及び技術開発に関する6番目の枠組みプログラムとして、European Community (EC)によって委託されたものである。EC委員会は、2004年6月にスタートした当3年プロジェクトのコストの約半分を出資する予定である。(Superconductor Week誌2004年12月31日号、Vol. 18, No. 24) 

   当ケーブルは、送電系統が活線状態では設置されないだろうが、2007年5月末には完成が予想される。ヨーロッパ高温超伝導体(EHTS)社は、多くの機関の専門家を結集して、本プロジェクトのためコーティドコンダクターの作製を統御する予定である。 

   Nexans社は、ケーブルモデルを組み立て、EHTS社から供給された基板上にEHTS社の有機金属積層法(MOD)プロセスを用いて、YBCO層の蒸着を実施するだろう。Nexans社は、またMOCVD法塗布技術を開発中であるが、本プロジェクトのためには当技術を使用しない予定。約2 kmのコーティドコンダクターは、本ケーブル用に製造されるだろう。 

   Super3Cは、ヨーロッパの数ヶ国にまたがる産業界と科学界協同者間の広範な協働事業である。プロジェクトチームには、フランスのNexans社とドイツのEHTSの他に8つの協同者が含まれている。ドイツの機能性材料センター(ZFW)は、2G線材の構成材を供給し、特性研究を担当している。2G線材テープを製造する為の化学プロセスの開発は、バロセロナ材料科学研究所が請け負っている。フィンランドのタンペレー工科大学は、ケーブルのモデル造りを実行中である。短尺のケーブルモデルは、スロバキアのブラチスラバ電気工学研究所が製作中である。 

   本ケーブル用液体窒素冷却システムは、77 Kで動作するように設計されているが、現在フランスのAir Liquideが開発を行っている最中である。同じくフランスでは、E. ON 技術会社とE. ONエネルギー会社がそれぞれシステム統合及びネットワークの動作に関する研究とHTSケーブルの技術的、経済的及び社会的インパクトに関する研究を行っている。スペインのビルバオ市に在るLabein研究所は、単相ケーブルのテストを担当することになっている。 

   Nexans社超伝導体部長兼Super3CコーディネーターのJean-Maxime Saugrain氏は、「Super3Cは、先端技術に位置する非常に挑戦的なプロジェクトであるが、このプロジェクトを成功に導く為に我々のパートナーと一緒に関連する熟練技能を供給出来ると確信している。《と語った。               

                                           

                               

(こゆるぎ)