ASC社副社長のD.Paratore氏は、「現在、世界中の顧客を選択する為10mの長さまで2G HTS線材を販売しているが、2~3ケ月中にナノドットをこの線材に導入する予定である。2G線材のパイロットプラントを今年末建設し始める計画であるが、これは2G線材研究開発の9ヶ年計画に基くものとなろう。このナノ技術を製造プロセスに導入することにより、我が社のHTS線材に於ける世界的指導者としての地位は更に強固になるだろう。3~4年以内に商業的規模で2G線材の製造を始めているだろう。《と語った。
ナノドットは、2G HTS内の磁束線をピン止めすることにより、線材中を流れる電流を増加させる効力を持つ。ASC社技術担当常務のA.Malozemoff氏は、「Air Force Research LaboratoryとLos Alamos National Laboratoryの研究者が行った概念検証実験結果によれば、ナノドットのサイズ、分散、組成を最適化することにより、2G線材の動作温度、商用超電導応用で受ける磁場の下で、電流容量を最低2倊に出来ることが明らかになった。また、ASC社は2G線材の製造時、もう一つナノ技術−ナノテク表面処理を適用している。この技術は、初めはOak Ridge National Laboratoryで開発され、その後共同研究協定によりASC社へ移管されたものである。ナノテク表面処理は、硫黄原子のスーパー格子を創出し、金属合金上に高品質バッファー層の形成を助ける働きをする。当技術は、ASC社2G線材の基盤を構成している。我々は、当表面処理技術を利用してくり返し、10m級の2G線材を製造しており、今やパイロットプラントへ移行する用意が出来ている。《と語った。
(高麗山)