フィルタを小型化にする際、HTSフィルタの特長である高遮断特性は維持しなければならない。32段フィルタで採用したJ型共振器をそのまま2インチφ基板に適用すると段数は18段までしか搭載することできない。そこで共振器形状を改良して24段までの搭載を可能とした。図2に24段フィルタの周波数特性を示す。中心周波数は1950 MHzであり、通過帯域幅は20 MHzである。遮断特性は低周波側、高周波側共に40dB/1MHzが達成できている。通過帯域における挿入損失はトップで0.25 dB以下、バンドエッジで0.8dB以下と低損失性を維持できている。また通過帯域内におけるリップルは0.1 dB以下である。反射損失も20 dB以上が確保されている。同社第1技術部部長の榊原伸義氏は「前回の32段フィルタはHTSフィルタのポテンシャルを最大限に引き出したものであったが、今回の24段フィルタで技術的には実用化が射程距離に入ってきた」とコメントしている。
図2 24段フィルターの周波数特性
(エベレスト)