SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol. 9, No. 2, April. 2000.

9.IGC社の関連会社をMRI用RFコイルの
販売・設置業者に指定
_米国IGC社_


 この度、Intermagnetics General Corporation(IGC)は子会社のIGC-Medical Advances Inc.(IGC-MAI)が、Ultra Image Corporation 製MRI(磁気共鳴断層撮影装置)用の新しいRF(ラジオ周波数)コイルの全世界独占販売・設置代理業者に指定された事を明らかにした。また、IGC-MAI社とUltra Image社は、既存及び新規のMRI応用のため、完全な臨床応用製品(一式)を共同して開発する計画であると発表した。

 まず、IGC-MAI社は、3つのUltra ImageRFコイル設計のマーケティングを人間の時間的脳葉を画像化する装置から開始するだろう。IGC-MAI社は、RFコイルを営業・宣伝するのに必要な米国FDA食品・薬品管理局の認可を保留にして、今年の早い時期にコイルの配布を始める予定である。他の2つのコイル設計(左右両側・網状組織の画像化用及び頚動脈の詳細画像化用)は、今年遅く、FDAの認可が期待され、その後ただちに市場に乗せることになろう。これら3つの装置は、全ての既存MRIシステムに整合すると考えられる。

 Ultra Image社(ワシントン州、レットモンド市所在)は、Pathway Medical Technologies Inc.(PMTI)の子会社である。PMTI社は、応用研究と先進技術開発を行っている会社であり、とくに医用装置開発に注力している。Ultra Image社は、1997年に設立され、ワシントン大学放射線科のC. Hayes博士が設計したRFコイルを開発し、商用化している。Hayes博士は、磁気共鳴の物理学者であるとともに、RFコイル技術分野でよく知られている専門家でもある。

 R. J. Stevens氏(MA社の共同設立者であると共に、IGC−MAI社の副社長を務める)は、「Hayes博士及び 彼の部下の仕事は、我々が販売・設置しようとしているRFコイルの臨床的実行可能性と性能を既に実証している。我々は、Ultra Image社との提携により、2001会計年度から始まるRFコイルの販売が急増するものと期待している。Ultra Image社は、わが社の製品群の拡大を助ける理想的なパートナーである」と語った。さらに、R. Frederickson氏(Ultra Image社の共同設立者であり、PMTI社の戦略的開発部門を統括する副社長を務める)は「この新製品が広範な技術的、臨床的受容を得るために、人材及び資金的支援を行っているIGC-MAI社と提携することは、Ultra Image社が強力な背景と新製品を支える技術的基盤を有する会社と共に、MRI市場へ急速に参入することを可能としている。さらに拡大しつつあるMRI市場の要求に対応するために、共同作業に期待をかけている」と付け加えた。

 IGC-MAI社(ウィスコンシン州、ミルウォーキー市所在)は、IGC社の子会社である。同社は、1985年に設立され、現在RFコイル設計のリーダーであり、諸コイル及びMRI関連付属品を製造し、世界的販売ネットワークへ供給している。IGC-MAI社は、IGC社の電磁気部門の一部を成し、1999会計年度にはIGC社総売上の12.5%を占めている。以上述べたRFコイルには、、現在銅線が巻かれているが、近い将来高いS/N比が得られる高温超伝導線材への代替が期待されるだろう。

(高麗山)