SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol. 9, No. 2, April. 2000.

5.HTS電力ケーブルの実系統使用を開始
_米国Southwire社_


 米国では、Pirelli Cable社/ACC社がエジソン社デトロイト変電所に120 mの高温超伝導(HTS)電力ケーブルを設置するプロジェクトを推進しており、もう一方のSouthwire(SW)社プロジェクトの動向が注目されていた。

 2月18日の新聞発表で、SW社は世界初の3相HTSケーブルの実系統での使用開始を明らかにした。今年1月初めから30 m長の3相ケーブルにより、ジョージア州キャロルトン市所在のSW社製造施設3ヶ所に電力供給を続けているもの。

 当プロジェクト向けにHTS線材を供給したIntermagnetics General社(IGC)のG. H. Epstein社長は「今回の設置はHTSシステム及び機器の実用分野における利便性を明確に実証するものと信じている。

 電力基幹部の全国的老朽化、電力業界の急速な規制緩和及びそれに伴う競争激化は、全てもっと効率がよく、信頼性の高い、環境保全に適した電力輸送手段への要求を指し示している」と語った。

 引き続いてEpstein氏は、「IGC社は、現在HTS開発プロジェクトの第2フェーズを推進中である。これは、HTS線材のコスト低減を行って、超伝導機器(トランス、ケーブル、モーター、発電機、限流器)の製造費/性能比を市場で生き残れる水準に適合させるものである。このハードルを越えられるならば、HTSは次の10年間で、電力産業を革新する原動力になるだろう」とコメントしている。

(相模)