SUPERCONDUCTIVITY COMMUNICATIONS, Vol.4, No.1, Feb. 1996, Article 9

LNG 液化用にパルスチューブ冷凍機開発へ 〜 Cryenco Sciences, Inc. 社

米国国立標準技術研究所(NIST)とロスアラモス研究所(LANL)の関係者によると、両研究所はこれまで開発してきた「熱音響駆動型オリフィスパルスチューブ冷凍機」技術を CSI 社に独占供与した。同社はこれにもとづき、まずフェーズ I で約1億円の開発費をかけて、一日に 500 ガロンの天然ガスを 100K 程度で液化できるプロトタイプを一年半程度で開発する。フェーズ II では、日産 1万ガロンにスケールアップをはかる計画。
パルスチューブ冷凍機は可動部分がないため、信頼性に優れるとされ、我が国でも開発が行われ、一部実用化に至っている(本誌Vol.4, No.4 1995.8 に関連記事)。本方式は熱音響駆動型で大型化にメリットがあるとされる。NIST の実績では同方式1段で 90K が達成されており、多段にすればもっと温度は下げられるはずという。本方式では長い熱音響駆動部分が開発課題であるが、磁石の周りに巻き付けるなどすれば、MRI などに高温超電導磁石が使われる時に、信頼性の点で威力を発揮することもできると関連者は語っている。

(Tomorrow)


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